かなはぬ恋のメロディ

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今日「日本ハム×巨人」の試合を
ぼんやりとテレビで眺めてたら
巨人の野球帽を見て
古いことを思い出した。

小学校のとき同じクラスだったOくんは
いつでもそんな巨人帽。
実におとなしく、ちょっと知的で
笑いのセンスがあって大好きだった。

だけど私は小学生だし、照れ屋だし、
その上ひどいいたづらっ子。
愛は表現方法を知る由もなく
いたづらという形で火を噴いた。

彼のランドセルに
こっそり正露丸を入れてみたり
かくれんぼをして遊んでいるときに
巨人帽を女子便所に投入したり。

そのうち学級会で
「ぼくのランドセルに
正露丸をいれるので、
やめてほしいです」
告訴された次第。うぅ。

しかし、ひとの話によると、
彼はずっと私のことが好きだったらしい。

小学校を卒業する時に
「お前は、いつも変なことばかりしてくるけど
違う中学になるのは寂しいわ」と
彼はこっそり私に言った。
私も「ほんまあんたといて
いつも楽しかったよ」と
そのときばかり本心を言った。

でも今日その話を
心の友にしたら
「それは、その子が
あんたを恐れて言ったんだろう」
と突っ込まれた。
あぁ、我が清純な思い出をこわすなかれ。

それとも、彼は幼くにして
M男の素質があったのか。
(※ゆっておきますが
私はSではありません)

だけど私はそれからも
自分から好きになった人には
愛のプレゼンが不器用だ。

相手に好きになられたら
普通に対応できるけど、
自分が大変好きになると
なかなか普通に発表できぬ。
さすがに大人になってからは
かばんに正露丸入れたりしないけど。

もしも私のステキかばんに
嬉しそうに珍妙なものを
こっそり入れてくる男がいたとしたら
それもまた不器用な
愛の表れなのかもしれぬ。

今の所そういう人はおらぬが
死ぬまでに一度ぐらい
お目にかかれるものか。

今は結婚して子供もいるという
Oくんに心でごめんよと思った。

もう私のことは忘れてしまったと思うが
正露丸見るたび何か思い出してないだろうか。

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