ソフトボールの練習の成果として
きのうはマスルが猛烈に痛かった。
マスルは成長するときに痛みを伴うという。
これは私の体の中で
マスルが成長している愛しき証である。
その痛みを卵のように
大切に抱えながら昼寝してみたが、
外は青い青いお空。
私の魔心が
ママン、走りたいよといっている。
あてもなく西の方に走ってみた。
すると暫く登っていない山があることを思い出した。
昔、暇なときによく登ったが
何もない寂しい山なのでご無沙汰している。
カーブが続く坂道を上ると遊園地。
ここは休日しか営業していない
すごく割り切った遊園地だ。
しかし、4時前なのに、車がいっぱい。
おそらくは、あと1時間もすれば、
疲れたパパと、はしゃぐこども、
それを世話するママの大群が現れるに違いない。
あなおそろし。逃げよう。
そこを抜けて、もっと上に登る。
道があったから登っただけだ。
するとあらびっ栗。
ロープウェイ乗り場があるではないか。
ロープウェイがあるのは知っていたが
乗ろうと思ったことはなかった。
藻岩山もやばいが
こちらも明らかにすたれている。
だって、ゴンドラに
SAPPORO
72
とか書いてあるのだ。
復刻カラーリングと書いてあるが
実は当時のままかもしれぬ。
なんとなく安全に不安を感じる古さである。
しかし、何を思ったか昨日は
むらむらと興奮を覚え
家族連れの群れに混じって
往復1000円弱を払って乗ってみた。
5分の空の旅を終えてゴンドラを降りると
すでにそこは高山気候であった。
まだ、夏とはいえ微妙に寒い。
やっぱり観光施設などなかった。
「右:神社
左:山頂スナックトロイカ(夜間営業時のみ営業)」
という看板があるだけで
眼前には様々な放送局の電波基地。
足下の砂利道に一瞬悩んだが
私は右を目指した。
だってトロイカは営業してないのだ。
やたら大きな音で
スピーカーからラジオが流れている。
両脇にはクマザサの薮。
これは、熊除けなのだろうか。
途中に今は使われていない廃墟のような
小屋がいくつかありかなりこわい。
神社についたら
小さな狐と狛犬に囲まれ
小さな石室が山頂に鎮座していた。
石室の後ろには全開の石狩平野。
反対側には断崖絶壁。
後ろを振り返ると
発射を待つロケットみたいな
電波基地の林が立ってる。
山のてっぺんで私は
いろいろな文を
赤と白のロケットに結びつけて宇宙に飛ばした。
山の上はもう秋だよ。
ありがと、さよなら。そして、こにちは。