いやぁ。出した出した。
毒の話である。
先週から「今週末は温泉に行って毒を抜く」と心に決めておった。
なんかいろいろとまぁ、毒がたまっていたような気がする。
そこは町から30分程度のドライブで到着するところなのだが、
周囲は山しかなく、十分に秘境の雰囲気が漂っている。
私はねこのように、行きたいところはどこでも1人で行くほうである。この大好きな温泉にも、今まで行く時はほとんど1人だった。
しかしいつも、露天風呂で空を眺めながらぼんやりしていると、周りから女性同士の会話がわやわやと聞こえてくる。
楽しそうな会話のときは、仲間に入りたくなる。
だから今回は友と行けたのがうれしくて、お湯に入ったり、岩に座ったりしながらまったり話していた。
精神的にたまっていた毒がだいぶ抜けた。かけ流しのお湯らしいので、毒は大地に帰って行っただろう。アディオス、我の茶色い毒。
その後、その温泉自慢のカレーを食べて、座敷の休憩室でのんびり。
ここの休憩室は温泉を利用しているのか、床暖房が完備されている。しかも、ほんのり暖かいのではなく、暑いぐらい暖かい。したがって、休憩室では多くの人が掘り出されたいものやうにごろごろしている。
いもの正体は、ほとんど中高年のおいちゃんおばちゃんである。
我らものんびりしながら話していたら、隣の席で積み上げた座布団を枕に爆睡していた60代ぐらいの夫婦の、おいちゃんのほうが、やおら、むっくり目覚めた。
で、何をするのかと思ったら、突然ズボンを脱いで着替え始めた。
あっという間にパンツ一丁になったと思ったら、
お尻が半け○となり割れ目が見えている。
ぬぉ。おっちゃん脱ぐんですか。
おばちゃんはだまってごくナチュラルな気配に見守っている。
我ら女2人は、直視してはいけないような気がして、
さりげなく会話を続けたが、今にも吹き出しそうだった。
おっちゃんともなると、今さら尻ごとき恥ずかしくもないのかもしれぬ。
尻とはいわず○○○でもOKなのかも!?
しかしこのおっちゃんにも、体重測定で裸になるのも恥ずかしい少年時代があったんだろうな。
あぁ、昭和は遠くなりにけり。
帰ってから少しのんびりして、本屋に出かけた。
いっぱい買ったが今日のお目当てはこれです。
おせい&カモカの昭和愛惜
(田辺聖子/文芸春秋 750円)
今NHKで「芋たこなんきん」という大阪を舞台とした連続ドラマが放映されているが、それを見てたらこの本が読みたくなった。
おせいさんは、このおっちゃんと結婚したばかりに、余計ええ仕事ができて、ええものが書けたんやろうなぁと私などでも感じられる一冊である。
恋愛に限らず、良い人間関係はすべからくそのような原理ではないだろうか。
楽しいから一緒にいる。それで仕事もその他のこともハッスルする。
ハッスルすると内容が充実する。充実するともっと楽しくなる。
何か失敗しても自分には心の味方がいるから、また頑張れる。
関わると不快になる人とは関わってはならぬというのは、この逆の流れとなるからだろう。怖っ。
でも、仕事などではそのような輩とも関わらねばならぬこともある。
そうしたらまた友を誘ってあの温泉に行こう。
ひとりもいいけど、ふたりだと、もっと楽しいね。