夢に立つ男

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おそろしきことを発見したので
告白いたす。
最近リビドーが欠けておる。
どうしたのか。

自分が会社に入って
じゃっかん肉づいて
肉○(○の中は自主規制します)だからかもしれぬが、
最近あまり、かっこいい異性を見ても
「ええのぅ(ハァハァ)」と思うことがない。私は枯れておるのか。

先日女ばかりで飲んだときも、
いはゆる「人間の起源」についての話になったが、
どうやら私には、近年、肉欲が不足しているようである。
感覚が狂っているのか。愛とリビドーの相関関係が、非常にいむちき臭いものにおもえる。
愛とはもっと広くて清いものではないのか。

しかし、なんでこうなのかは、おおよそわかるが、
そのせいで「いろけ」が枯れるのはいかんなぁと思った。

だいたい、かっこよく年をとっている人は、やはり「いろけ」があるものだ。
露出などによる分かりやすいエロスではなく、
40代とか50代の「じゅく女」といわれる方には「いろけ」がある。

その「いろけ」はセクハラ親父の発する、
ぬめぬめした下心とは一線を画しておる。
「いろけ」の成分には、
愛や大人っぽさ、文化、あと少しのエロスが入っているように思う。

だとしたら、エロに執着がなくなったら、
「いろけ」もなくなるのか。それは困るのぅ。どうしたらええかのぅ。
ひょっとして疲れてるから、どうでもよいと思うのかのぅ。

ふと、そんなことを考えながらベッドでごろごろしてたら、
いつの間にか寝てしまった。
毛布一枚で、だんだん寒くなってきたけど、じだらくにそのまま寝ていた。

そしたら明け方、夢の中で何故か
Cャン・Dゴンと「花より男子」の花沢類の人(名前忘れた)を足して2でわったような、
見知らぬ男前が出てきた。
何人かはわからん。おとなしく静かな人だった。

私は面食いではない。どちらかというと、あまりかっこいいと
ナルシストオーラを感じて内心引いてしまう。
しかしそのうち彼からは、歓迎の気持ちが伝わってきたので、
心をひらいて、話しかけた。
なんだったかは忘れたが、暖かいいたわりの言葉がかえってきた。

ただ、それだけだったのだが、私は久々に心から「ええ男じゃ」とおもい、
朝起きても温かい気分がつづいたのだ。

今思えば、あれはどっかの男前に姿を借りた
私の中に住むアニムスさんだったのではないだろうか。
人間には、セルフ癒し機能がついていて、ときどき困ったときに発動するようである。
アニムスさんも心配して出てきたのだ。

最近、変な男の生き様ばかり見すぎて、
元々ゆがんでいた男性観がさらにゆがみそうになっていたのかもしれぬ。
いかんいかん。消費税に気を取られて、買い物が出来なくなるように、
5%の変人に気をとられて、ごく普通の男子を見誤らぬよう、気をつけやう。

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