朝から空港へ。
これから生まれた街にぴゅーっと飛んでくる。
ばあちゃんが亡くなったよ。
八十八才。トイレで倒れて救急車で運ばれ、そのまま。
ばあちゃんに最後に会ったのは何年前だっけ。ばあちゃんは晩年、おばさんのところで暮らしていたので中々行くこともなかった。
大学に通ったとき、ずいぶん喜んでくれたっけね。
ばあちゃんと私の時間は小さいときで止まっている。
ばあちゃんの還暦のとき、私は小学生で、赤いちゃんちゃんこを着用したイメージ図(笑)を描いてプレゼントした。
あれがいつまでも古い小さな借家に張ってあったのを覚えてる。そして夏に私たちが遊びにいくと、普段はつけないクーラーを一日中つけてくれた。乾かしたみかんの皮がいっぱい入ったお風呂を沸かしてくれた。ばあちゃんは私鉄につとめていたから、よく今はなき古い遊園地の券をくれたなあ。
当たり前のように働きづめの女の人だった。私の一族、女はみんなそんな運命みたい。
私が中学生のとき、じいちゃんが死んだ。若いころ酒やなにやらでばあちゃんに苦労をかけたじいちゃんだったが、晩年は穏やか。やんちゃだが優しい人だったのかな。その日も、婦人会で出かける予定のばあちゃんに火鉢で「うすもち」を焼いてあげていたら、そのまま倒れて還らぬ人となった。
子供心に、ばあちゃんはじいちゃんが焼いてくれたうすもちをどんな気持ちでたべたんかなあと思った。なんか寂しくてうちやったら食べられへんかも。
ばあちゃんは今ごろじいちゃんと会えているかな。人にたましいがあるならば。あればいいよね。
とゆうわけで、とびますとびます。